扱っている疾患 甲状腺
手術・放射線治療・抗がん剤治療を組み合わせた集学的治療を行っています。
甲状腺グループは、甲状腺・副甲状腺疾患に対する外科治療を行っており、主な対象疾患はバセドウ病、甲状腺良性腫瘍(結節)、甲状腺癌、副甲状腺良性腫瘍、副甲状腺癌です。特に甲状腺癌については、放射線科と連携した術後の放射性ヨウ素内容療法や経口分子標的薬を用いた外来化学療法(切除不能の進行再発甲状腺癌)など、手術・放射線治療・抗がん剤治療を組み合わせた集学的治療を行っています。
当グループの最大の特徴は甲状腺・副甲状腺の内視鏡手術を標準術式として行っている点です。甲状腺・副甲状腺の内視鏡手術はすでに保険診療として認められていますが、高度の手術手技を必要とするため施行施設が限定されているのが現状です。当科はすでに1000例を超える内視鏡手術実績があり、全国でも1,2を争うHigh volume centerとして認知されています。特に甲状腺・副甲状腺の良性疾患においては全体の95%が内視鏡手術で、よほど大きなものでない限り従来の首を切開する手術(開創手術)を行うことはありません。
整容性・安全性・術後経過など、当科の内視鏡手術はほぼ全ての点でこれまでの開創手術を凌駕しています。現在では皮膚切開の位置も腋窩、前胸部、口腔内など患者様の希望する部位を選んでいただけるようになりました。また、甲状腺癌についても従来の開創手術を凌ぐ根治性と整容性を高度に両立させた悪性腫瘍に対する新しい内視鏡手術術式を開発して、微小癌はもとより進行癌に対しても適応できるようになりました。この術式では甲状腺の周囲に存在するリンパ節を従来の開創手術と同等あるいはそれ以上にきれいに摘出することが可能です。
甲状腺癌の治療は日々進歩しています。今後はがんの遺伝子変異を調べてそのがんに効果的な抗がん剤を選択投与したり、より効果的な放射線治療の開発も進められています。内視鏡手術においても安全性・根治性が飛躍的に向上していますが、今後も専用器具の開発などさらなる手術精度の向上を目指しています。
扱っている疾患 乳腺
様々な選択肢があり、患者さんの嗜好を考慮しています。
乳癌は患者さんによって様々な病状があります。また、治療方法にも様々な選択肢があり、患者さんの嗜好も考慮した意思決定が非常に重要です。
手術可能な早期乳癌においては、手術方法の選択(全摘か温存か)、周術期補助療法の選択(ホルモン治療、抗がん剤治療、分子標的薬治療)、抗がん剤治療のタイミングの選択(術前か術後か)が必要になります。これらの選択には患者さんと医療従事者との意思疎通が必要不可欠です。患者さんに納得して治療を受けていただけるように心がけています。
進行再発乳癌では様々な薬物療法を用いた治療を行います。乳癌の治療薬は年々進化しており、新しい治療薬が次々と登場します。その中から患者さんにあった最適な治療を選択することが重要です。また、新しい治療薬には特徴的な副作用があることも多く、いろいろな診療科と連携した安全な治療を行っています。
総合病院として、様々な合併症のある方への乳癌治療も安全に行えるような体制を整えています。他診療科と緊密な連携を取りながら、安心・納得して治療を受けていただけるように心がけています。
治療方針検討カンファレンス
外科の中で週に2回の術前・術後カンファレンスを行っています。手術症例について、全医局員による治療方針の検討を行っています。
他科との合同カンファレンス:当科、病理科、放射線科と月に1回のカンファレンスを行い、乳癌診療の質的向上を図っています。
当科での取り組み、研究について
・乳房温存手術の工夫
整容性向上のため、乳房縮小固定を応用した乳房温存手術を行っています。
・当科で行っている研究
①乳癌で重要なマイクロRNAの探索とその関連遺伝子の研究
②独自の乳癌遺伝子パネルの臨床応用に関する研究
③多発乳癌の診断と乳癌罹患リスクに関する研究
④行動経済学的特性と診療行動に関する研究
扱っている疾患
乳癌
・乳腺炎、乳輪下膿瘍
・女性化乳房症
・乳癌検診(クーポン検診、二次精査も受け付けています。女性医師による診療も随時選択可能です)